網膜色素変性症

網膜色素変性症

網膜色素変性症とは。網膜に異常が起こり、暗い所でものが見えにくい夜盲(やもう)や、視野が狭くなる視野狭窄、視力低下が見られる遺伝性の病気です。発症の時期や進行、症状は様々で重症な例もあれば高齢になってもある程度視力を維持できている場合もあります。日本では数千人に1人の割合で発病しています。

症状

原因は視細胞にありますので、視細胞の障害に伴った症状がでてきます。最も一般的な初発症状は夜盲、とりめ(暗い所での見え方が悪くなる)です。さらに病気が進むと視野が狭くなってきます。その後、視力の低下や色覚異常がともなってきます。また、症状の進行、順番などに個人差がみられ、後々夜盲になる場合もあります。

原因

原因としては、遺伝要因が大きいとされています。原因となる遺伝子はいくつか知られていて、優性遺伝、劣性遺伝、伴性遺伝などのパターンで遺伝します。親がこの病気だからといって、子供が必ず発症するわけではありませんし、一見遺伝ではなく突然発病したように思われる事もあります。近親者間の結婚では、発病の確率が高くなります。

治療法

現在のところ、網膜の機能をもとの状態にもどしたり確実に進行を止める確率された治療法はありません。対症的な方法として、遮光眼鏡、ヘレニエン製剤内服、ビタミンA内服、循環改善薬による治療、低視力者用に開発された各種補助器具の使用などが行われています。現在、患者さんに応用する研究が行われていますが、将来、網膜色素変性症にも応用できる可能性がでてきました。