身体障害について


【視覚障害、眼疾患】

疾患疾患の特徴
緑内障眼圧が上昇することで、視野が欠損する。
白内障水晶体が白く濁るため、視界全体が霧がかったように見える。重症になると水晶体を人口のものに変えることで視力が回復する。
網膜色素変性症加齢に伴い網膜が変性し両眼の視力が失われていく遺伝性の疾患。幼児期に夜盲が見られる。
視神経萎縮症先天性のものもあるが、視神経円などの病気や頭部外傷や脳腫瘍によるものなどがある。視野の中心部が見えにくい。視力低下、視野欠損、色覚異常もみられる。
糖尿病網膜症糖尿病の合併症。網膜の血管に異常が生じ、飛蚊症や視力低下をきたす。
ベーチェット病ぶどう膜炎、口内炎、外陰部潰瘍、皮膚症状が主症状の難病。視力低下から失明にいたることもある。

加齢黄斑変性症

網膜の黄斑部に変性をきたし視力低下。

今まで普通に見えていたものが見えなくなる、中途視覚障害者の多くは精神的な打撃を受けます。失明への恐怖、葛藤。できる仕事はあるのか?経済的不安。全て押し寄せてきます。

視覚障害の場合、点字が広く用いられていますが、音声言語やパソコンの利用なども普及しています。危険な場所では特に声掛けをし、不安を取り除きましょう。

【聴覚障害】

ほとんど聞こえていない状態を聾(ろう)、少しは聞こえる状態を難聴といいます。

分類

聴力失調(両耳)

dB(デシベル)

音や声に対する反応

軽度難聴

26~40普通の会話を聞き取れなかったり、聞き間違える。ささやき声が聞こえない。
中等度難聴41~55普通の会話がやっと聞き取れる
 56~70大声での会話がやっと聞き取れる

重度難聴

71~90大声での会話も正しく聞き取るのは難しい
最重度難聴91以上かなり大きな音、声なら反応できる、あるいは全く聞こえない

また、難聴は損傷部位により分類されています。

難聴の種類障害の部位と特徴
電音性難聴鼓膜から内耳に至る音が振動として伝わる電音器の障害

感音性難聴

内耳以降の音を電気信号に変える感音器の障害による突発性難聴、メニエール病などによる難聴
混合性難聴電音器と感音器の両方に障害による

電音性難聴は治療が進んでおり、改善されるようになりました。

メニエール病になり、唐突な吐き気を催し立っていられない状態を実際に見ましたが、私は主に吐き気、めまいの症状だと思っていたので難聴になることは知りませんでした。メニエール病は難聴、耳鳴り、耳が詰まるなどの聴覚症状を伴うめまい発作を反復するという事で、原因としてストレス、睡眠不足、疲労などが重なった時に起こるのだと改めて勉強になりました。現代のストレス社会では、身近に起こりやすい症状ではないでしょうか? 根本はストレスの原因を時間をかけてでも取り除かなければ治らないので、生活習慣の見直しと共に、見つめ直していく事が大事になります。 このような症状が繰り返し続く場合は病院を受診し薬を処方してもらいましょう。

うちの祖父は老化による加齢性難聴で、どんどん聞こえが悪くなるので補聴器をつけています。外している時は耳元で大きな声で話すか、ジェスチャーを多くして話しています。それでもわからない場合は筆談をしています。

【言語障害】

「構音(こうおん)障害」・・・ 発声や発音の器官に異常が起こり不明瞭になる 。発音ができない、言葉の省略、吃音。早口など

「失語症」・・・脳の言語領域に異常がおこり言語の理解や表現に障害がおこる

【主な失語症の種類】

ウェルニッケ失語症

言語は発声できるが、錯誤(意味のわからない言葉)があり、まとまりがない。言語が十分に理解できない。

ブローカ失語症

簡単な言葉は発せれるが、会話をするのは困難。相手の言語は理解できる。

聴覚、言語の障害は、生まれつきなもの(先天的)と病気などで途中から失ってしまうもの(中途障害)とあります。

何らかの病気で途中から失うものは絶望感に陥ります。聞こえない、話せないという事から殻に閉じこもり孤独感にも襲われます。

コミュニケーションの手段としては。補聴器、筆談、手話、コミュニケーションエイド(合成音声での会話、プリントをして意思を伝える機器)などがあります。

私は祖父との会話にスマートフォンのアプリで筆談できるものと、音声が文字に変換されるものをダウンロードして使っています。紙とペンを持ち歩いていなくても携帯は主に持っているので利便性が大きいです。

肢体不自由

肢体不自由とは、上肢、下肢、体感の永続的な運動機能障害です。

脳損傷がおきたり、脊髄損傷になった場合、それに伴う麻痺が生じるという事です。

麻痺には運動麻痺、感覚麻痺、知覚麻痺とありますが、麻痺のある箇所により、次のように分類できます。

片麻痺左右のいずれかの半身に麻痺があり、音声や言語障害が生じることもある。脳の損傷部分が原因
対麻痺両腕、両足に麻痺がある。排泄障害がおこる事もある。脊髄損傷などが原因
四肢麻痺両腕、両足に麻痺がある。頚髄損傷などが原因

肢体不自由も、病気や事故などで途中から失ったものは、生まれつきのものよりストレスが大きく、社会で担ってきた役割が果たせなくなり、自信喪失や自己否定に陥ることもあります。

【中途障害者が障害を受け入れるまで】

①ショック期身体的な苦痛を伴う。障害が残るという認識はないため、心理的には落ち着いている時期。
②否認期治療などが一段落し、自身の体の状態がわかり、障害を背負う不安を感じるが、それを認めたくない気持ちが強い時期。
③混乱期障害が残るという現実に直面して、心理的に混乱が生じる時期。自殺や抑うつ状態になることもある。
④受容器障害があるということを受け入れ、今後の生活を考える時期。現存機能の活用とリハビリテーションに前向きに取り組むようになる。

脳血管障害により片麻痺(体の半分が麻痺した状態)で入院した知人がいます。最初にお見舞いに行った際は、気持ちは元気だったので笑顔で話せていました。2回目に行った時にはリハビリ後で疲れてはいたものの優しく頷いてくれていました。3回目の時は、あれ?どうしたの?というくらい目も合わせてくれず、話そうともしてくれなかったので機嫌が悪い時に行ってしまったのかなと思い、早めに切り上げました。

後から思うとあれが否認期、混乱期の時だったのだなと思います。

当時はそんな事も知らなかったので 、安易に楽しい話をしようとしていた自分に後悔しています。家族でもないので、どういう風に声をかけたら正解だったのかもわかりませんが至らなかったなと反省しています。

介護上の留意点としては、その人に寄り添い一緒に考えていくこと。自信を無くし存在価値を否定したくなる時にこそ、現存能力(本人が今できること)を気づかせながら援助していくことに努めます。